いきなりの事故により、ディーノと雲雀の修行は中止され、3人は屋上のコンクリートの床に座り込んでいた。
「・・・ちょっと」
その中で一人、すっぽりとの腕のなかに収まっている雲雀が不満の声をあげ、腕から解放されようとじたばたもがく。
「放しなよ!咬み殺すよ?!」
「もうちょっとだけー・・・・・・」
もがく雲雀をものともせず、はさらに力をこめて雲雀を抱きしめる。
それを見たディーノが慌てて静止をかけた。
、それ以上やったら恭弥の骨が折れちまうぞ」
その言葉をきき、ははっとして雲雀を解放した。













T and P












「孤児みたいなんだ。」
そう言ってディーノが連れてきたのは小学生くらいの少年だった。
「へぇ。」
その少年に少し興味が沸いたのか、雲雀はしゃがんで少年の目線に合わせる。
「名前は?」
そう聞くと、少年は少し困ったように俯いた。
もしかして、日本語はわからないのだろうか、と少し首を傾げると、ディーノが横から言ってきた。
「あ、名前はまだ決まってねぇんだ」
そういうことは先にいってよ、と目で訴えると、苦笑いしながら「悪い」と動作だけで謝った。
「恭弥、こいつの名前決めてくれないか?」
「なんで僕が?」
あなたが決めればいいじゃない、と言葉を続けようとすると、「日本の名前がいいんだ」と少年に微笑みかけながら言われた。
「・・じゃあ・・・・」
決めるといってもそんなに簡単に名前なんかでてこない。

暫く考えて、ぱっと頭に浮かんだ名前を口にする。
「・・・






































「ところで、どうして師匠までここに?」
どうせ5分したら元の場所に帰れるのに、とディーノに尋ねると、呆れたような溜息とともに返答された。
「おまえなぁ、自分がもう5分以上ここにいるってわかってるか?」
5分どころか30分くらいたってるぞ、とのおでこを軽く突く。
そういわれてみればそうかも、と帰れないことを不思議に思う。
「なんで僕らは帰れないんですか?」
「10年バズーカの故障か、獄寺の改造が失敗だったか・・だな」
多分後者だ、とディーノは続ける。
「じゃあどうなっちゃうんでしょうね・・。このまま帰れなかったら」
だんだん焦り始めてきたを宥めるようにしてディーノは口を開く。
「その時はその時だ。」
「なんの解決にもなってないですよ師匠ー・・・」
が無事か確かめるためだけにわざと10年バズーカにあたってきたディーノはそのあとどうするかなどは考えている暇がなく、帰れるという保障もできない。
「キャバッローネに頼るっててもあるけど・・・10年後からきたなんて信じてもらえないだろうな」
ディーノは考えたあと、の隣で捕まっている雲雀をちらりと横目で見遣る。
「最終手段は恭弥のところだな」
だめもとで言ってみたはいいが、じろりと睨まれて言ったことを後悔した。
やっぱだめだよな。こうなったらツナに事情を話して・・・
「いいよ」
「ん、断られるのはわかって・・・・え?」
思いがけぬ言葉に思わず裏返った声を上げてしまった。
聞き間違いかと思いもう一度聞こうとしたが、きっと恭弥は同じことは2回言わないだろうなと、とりあえずいい方でとることにした。
「わーい!お世話になります」
ディーノが言葉を発する前にが再び恭弥に抱きついたので話すタイミングを逃してしまった。

「ただし、僕の部屋には入ってこないでね」
群れるから、と雲雀らしい理由を口にする。
「奇跡・・・か?」
とりあえず寝床は心配なさそうだ。
も喜んでいるし帰れるまでは世話になるか・・・。






















end