べしっ
「いてっ」
突然頭を叩かれ、何事かと思いあたりを見回すと
ハエ叩きを持ったが後ろにたっていた。
「・・・なにやってんだぁ?お前・・」
moustique
「何やってんだと聞かれたら・・・」
口にマスクをし、頭にバンダナを巻き、ゴム手袋を装着。
それにくわえ長袖長ズボンの上下バラバラのジャージを身に纏っている。
「害虫駆除作業」
「・・・害虫?」
「そう。なんか蚊があちこちにいるから」
蚊?季節外れにもほどがあるぞぉ?
と、あたりを見回してみれば確かに蚊が2,3匹飛んで・・・・
「ゔお゙おおい!なんだぁ!あの化け物は!」
「ごめんごめん。ちょっとした事故で」
の言うとおり蚊はいた。
が、その蚊は普通サイズではない。
なぜ今まで気付かなかったのかと、自分の目を疑うほどでかいのだ。
例えるなら・・・ベルよりちょっとばかりでかい。
「ちょっとした事故でなんであぁなるんだぁ!?」
「違うよ。決して俺のせいではないよ。」
台詞が棒読みなことからこいつのせいなのだろう。
とりあえず何が原因でこうなったのかは置いといて今はこの蚊を駆除することにしよう。
「あ、気をつけてね。一度さされたら確実に死ぬから」
「そ・・それを先に言えぇ!!!」
危うく蚊に突っ込んでいきそうになった足をなんとか静止させ、に振り返る。
「まぁ・・・俺は見ての通り、か弱い一般人だから、しっかり俺を守れよスクアーロ」
「てめぇ何様だぁ!」
「様だ!」
俺はとりあえずあの血を吸うであろう針を斬ろうと今度こそ蚊に突進した。
ずばっと勢いよく針が上空に飛び、蚊が倒れる。
しかし死んではいないようで、ぴくぴく足を痙攣させている。
「・・・・気持ちわりぃ・・」
普通サイズならまだしも、巨大な蚊が痙攣しているところを見るのはさすがに気持ち悪い。
すかさずもう一匹も斬り付け、とどめをさそうとしたところをに止められた。
「まぁ待て。こうなったのも俺の責任だ。とどめは俺がさそう」
にやり、怪しく笑ってが洗剤をだばだばと蚊にかけはじめた。
「俺さぁ・・・ほとんどの虫は洗剤かけたら死ぬと思うんよ。」
顔は笑っているが発言が恐ろしい。
そのうち痙攣していた蚊はピクリとも動かなくなった。
「ふぅ。多分これで死んだだろ。」
いい汗かいた、と言ったあとはさっさと俺の部屋からでていった。
「おい・・・この死骸はどうすんだぁ・・?」
俺はそのあと動かなくなった2匹の巨大な蚊と、
洗剤まみれになった自分の部屋を綺麗に掃除する羽目になったのだ。