ここどこですか?

俺は早く帰りたいです。





トリップ オア リターンズ





「だから、これは何かの間違いで・・・俺は本当に普通の男子高校生なんです・・・」

もうそんな言葉聞き入れてもらえないとわかっていながらも、俺は涙ながらに(嘘泣きだが)訴えた。

しかし予想したとおり、俺の目の前に集まった人々は俺の話などきいてくれず・・いや、聞いていたのかもしれないが信じてはくれず、見事分身の術をやってみせた俺に次々と質問を投げかけてくる。

俺にはその質問に簡単に答えていくことしかできなくなった。

「ゔお゙おい!分身以外にも何かできるのかぁ?!」

いえ、分身ができたことすら吃驚です。

「おい忍者!名前を言え!」

です。

「可愛い坊やじゃない。どこからきたの?」

自分でもよくわかりません。気付いたらここにいました。

「ししっ、忍術でワープしてきた?」

できるかぁぁ!!

忍者なんだと思ってんだ!魔法使いじゃねぇんだよ!

「どうにも信じがたいね。本当は双子なんじゃないの?」

双子だったらどんなによかったか。俺は一人っ子です。

「ボス!俺も褒めてくれ!」

・・・・?


「帰っていいっすか・・?いや、もうどこでも寝れば元の場所に戻ってるような気がするんで。」

「いや、帰さねぇ。忍者なんて珍しい生き物もう二度とお目にかかれねぇかもしれねぇからな!」

いやーん、まじでこいつら忍者なんだと思ってんのー?珍獣じゃねえんだ・よ!

そんなことを思いつつ、本当に寝れば元の世界に戻れるようなきがしてきて・・・

だが、それを口にだしてしまったのが悪いのか、ザンザスとスクアーロは絶対にを眠らせまいと凝視している。

どうしようかと考えていると、気絶は寝たうちに入るのだろうか?という考えが浮かんできた。

それならこの場で自分の頭思い切り殴ればいい夢(痛いけど)みれるんじゃないだろうか・・・?


それならば、と早速実行しようと頭を殴ってみるが、痛いだけで気絶なんかできやしない。

「ゔお゙おい!こいつ気絶する気だぁ!」

「止めろ、カス!」

の行動の意味を理解したのか、もう一発頭にかまそうとしているを、スクアーロが羽交い締めし、の動きを止める。

「やめてー!放してー!俺帰りたいの!」

じたじたもがいてみるがびくともせず、やがて疲れて諦めた。

「体力なさすぎだろぉ・・・」

10秒もたたぬうちに諦めたにスクアーロが溜息まじりに言った。

「おい、。」

むすっといじけていると、いつのまにかザンザスが目の前にいて、俯き気味の俺の顎をもって言った。

「お前は今日からヴァリアーで働け!」

ヴァリアー?なにそれ美味しいの?

ってか働けって、ここなんかの会社だったんだ。

「・・・なんの事業をしておられるので?ここの会社は」

とりあえず聞いてから決めようと、ザンザスに聞いてみる。

「暗殺」

「却下ーーー!!!」

物騒にもほどがあるだろうがっ!

誰が「はい、喜んで」って暗殺なんか引き受けるか!

女々しいかもしれないが俺は虫の一匹も殺せない超ヘタレなんだぞ!

「安心しろ、慣れるまでは雑用を多めにしてやる」

「そういう問題ではなくてね、俺が言いたいの「あぶなーい」

必死に抗議しようとしている言葉を遮られ、さっきの前髪で目が隠れている少年が叫んだ・・・のかはわからないが、兎に角言ったのだ。

危ない、と。



ガッ


何が危ないのか確認するまえに、俺の頭に鈍痛がはしり、俺はそのまま意識を失ってしまった。

・・・もう何がなんだかわからない・・・この集団。


「・・・やっべ」

「ゔお゙おい!気絶しちまったじゃねぇか!」

それが、最後にきいた言葉だった。